理学療法士は給料が低いって思うけど、実際どうなの?
年収を上げる方法を知りたい。
まず結論から伝えると理学療法士の平均年収は427万円で、サラリーマンの平均年収よりも少ないと言われています。
以前は絶対数が少なかったために年収も高かった理学療法士ですが、徐々に収入が少なくなってきています。
・理学療法士の年収は427万円で、サラリーマンの平均年収よりも少ない
・年間1万人の理学療法士が増えており2040年には飽和すると言われている
・理学療法士が年収を上げるためには①役職に就く②転職をする③バイザーになる④副業をするなど行動を起こすしかない。
◆この記事を書いているじろーについて
・12年目の現役理学療法士
・2021年から「このままではいけない」と思い様々な副業にチャレンジ
・はじめた副業はブログ・Webライター・音声配信・YouTube・パーソナルメンテナンスなど
・副業での収入は最高・月3万円達成
・あなたの少しだけ前を歩く「副業療法士」
それでは順番に説明していきます。
もくじ【タップでジャンプ!】
理学療法士の平均年収は427万円
2020年の理学療法士の平均年収は約427.9万円と、厚生労働省が「賃金構造基本統計調査」で発表しています。
病院の規模によって基本給や賞与、昇給に違いはありますが大差ないでしょう。
現に理学療法士をしている周りの友人と比較してもほとんど変わりません。
それでは理学療法士とサラリーマン・OLの年収を比較するとどのような差があるか解説します。
- 理学療法士の年収は経験年数で違う【昔は給料が高かった!】
- サラリーマン・OLの年収は433万円。30代はもう少し多い。
- 理学療法士とサラリーマン・OLの年収の差は開く一方
順番に説明していきます。
理学療法士の年収は経験年数で違う【昔は給料が高かった!】
理学療法士の初任給は約23万円で、新卒の平均年収は290〜300万円といわれています。
全体の平均年収が427万円なので、単純計算で年収600万円以上の理学療法士もいることになります。
一昔前は理学療法士の人数が少なく需要が多かったため、給料は今以上でした。
20年以上前に理学療法士として働いている人は平均年収を遥かに超えていることが想像できます。
15年前は時給4000円のバイトがあったよ!
「仕事のライフサイクル」という考え方に当てはめると理学療法士の給料が安くなっている現状がわかりやすいです。
全ての仕事には賞味期限がある。(中略)
引用:このまま今の会社にいてもいいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法|北野唯我|ダイヤモンド社|p.52
①ニッチといわれる『イスの数は少ないが、替えがきかない仕事』から始まり、順番に②③と移行し、最後は④『イスの数も少なく、誰でもできる仕事』として消滅していく。
日本理学療法士協会によると1990年では10,024名と人数が少なく①ニッチな職業だった理学療法士も、2022年には20倍以上の202,423名と増加しているため③ルーティンワークになっていると言えます。
2010年前後を境にして毎年約1万人ずつ理学療法士が増え続けており、当時は時給4000円だったアルバイトも現在では時給2000円以下の募集が多くなっています。
しかし今後も必要な職業ではあるので「④消滅」という未来はないと考えますが、20〜30代の理学療法士が今のまま働き続けても年収600万円以上は難しいといえます。
サラリーマン・OLの年収は433万円。30代はもう少し多い。
一方でサラリーマン・OL(以下:会社員)の平均年収は433万円と言われています。
その平均給与は433万円(同 0.8%減、33 千円の減少)となっている。
引用:民間給与実態統計調査結果の概要
会社員と比べると理学療法士の平均給与はやや少ないことが分かります。
ちなみに30代会社員の平均年収は437万円といわれています。
理学療法士の平均年齢が30代前半であることから、30代と比較すると約10万円の違いがあります。
理学療法士とサラリーマン・OLの年収の差は開く一方
30代の平均年収では理学療法士と会社員で約10万円の差があることがわかりました。
悲しい現実ですが理学療法士とサラリーマン・OLの年収は年齢を重ねるにつれどんどん開いていきます。
理学療法士の昇給額は5000円前後と定期昇給が多い病院もありますが、平均昇給額は2000〜3000円です。
しかし多くの病院で勤続年数10年以降の昇給額は大幅に下がります。
一方で会社員の定期昇給の平均は約6000円です。
2019年、会社員の定期昇給は平均5997円です。
参考:2019年春季生活闘争(春闘)、日本労働組合総連合会
そして会社員の定期昇給額は基本的には右肩上がりなので、勤続年数が長くなれば昇給額が下がる理学療法士に対して会社員の定期昇給額は増していきます。
転職サイトdodaによると50代以上の平均年収は613万円と言われています。
しかし理学療法士のぼく達は今の職場で働き続けても50代で年収600万円はもらえないでしょう。
理学療法士は2040年に飽和すると言われている
さらに追い打ちをかけるように悪いニュースが続きます。
理学療法士は2040年に飽和すると国が発表しています。
ただでさえ年収や定期昇給が少ない理学療法士ですが1年間に10,000人のペースで有資格者が増えることで近い将来需要と供給のバランスが崩れると言われています。
- 有資格者は約20万人、毎年1万人ずつ増えている
- 2040年に理学療法士は飽和する
- 理学療法士の今後は決して明るいものではない
順番に掘り下げて説明していきます。
現在の理学療法士有資格者は20万人以上。1年に約1万人増えている
先ほども少し触れましたが、日本理学療法士協会によると2022年3月の国家試験で有資格者は202,423名になったと記されており、2022年には10,096名の合格者が出ました。
年度 | 国家試験合格者 |
2017年度 | 12,388名 |
2018年度 | 9,885名 |
2019年度 | 10,809名 |
2020年度 | 10,608名 |
2021年度 | 9,434名 |
2022年度 | 10,096名 |
このように年間約1万人の新しい理学療法士が増え続けています。
理学療法士は2040年に飽和状態になると国が伝えている
年間で約10,000人の有資格者が増えており、現在のペースだと理学療法士の有資格者は2040年には40万人前後になることが予想できます。
約20年後の2040年、理学療法士は需要に対して供給量が上回ると言われています。
PT・OTの供給数は、現時点においては、需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍となる結果となった。
引用:理学療法士・作業療法士の需給推計について・厚生労働省
ぼくは現在30代半ばですので、定年退職を迎える前に起こることになります。
理学療法士はやり甲斐もあるし素晴らしい職業であると思う気持ちは今でも変わりませんが、将来に対する不安は拭いきれません。
理学療法士の今後は決して明るいものではない
2040年には供給過多となり飽和するといわれている現役の理学療法士が受ける影響も少なくないと考えます。
- 定期昇給の減額
- 新人の積極採用
- リストラに近い退職の督促
ぼくたち理学療法士に給与を支払う病院や施設は、できるだけ人件費を抑えたいと考えます。
ここであなたに質問です。病院や施設を運営する経営者の立場で考えてみてください。
理学療法士を1名増員するなら、あなたはどちらを採用しますか?(管理職はすでに配置済みで、マンパワーとしての雇用とします。)
⚫︎Aさん:経験年数20年のベテラン理学療法士(年収:約500万円)
⚫︎Bさん:新卒のフレッシュな理学療法士(年収:約300万円)
答えはきっとBさんだと思います。
運営側からすると「理学療法士として稼ぐお金は同じ」だからです。
今ならまだ大丈夫ですが、近い将来に理学療法士は転職も難しくなる時代が訪れることになります。
最悪の場合、経験年数だけの理学療法士は人件費削減のため退職するように促される未来もあるのかもしれません。
安い給料の理学療法士が年収を上げる方法【自分でアクションを起こす】
すでにサラリーマンやOLより給料が低いだけでなく、将来的にも不安が多い職業である理学療法士。
そこで理学療法士として働く中で収入を上げる具体的な方法を4つ紹介します。
- 役職について最大年収60万円UPを目指す
- 転職をして定期昇給の減額を防ぐ
- 自分で実習生を受け入れてバイザーをする
- 副業をして副収入を得る
順番に深掘りしていきます。
役職について最大年収60万円UPを目指す
まずはじめに考えられるのは役職につく方法で、病院の規模やリハ科の人数によって変わりますが、経験年数が5年を超えると昇進の話が出る人もいます。
当たり前ですが、昇進すると役職手当をもらえるので年収が上がります。
役職名 | 役職手当 |
副主任 | 1万円 |
主任 | 2万円 |
科長 | 3万円 |
部長 | 5万円 |
もし昇進の話が出ているのなら、喜んで受け入れましょう。
「管理職なんて責任は自分には負えない」と思うかも知れませんが、理学療法士として働いている以上、患者様を担当することで責任があるのは現状でも変わりません。
また管理職を経験することで今まで見えなかったことや感じれなかったことに気づけることも多いです。
転職をして定期昇給の減額を防ぐ
先ほどお伝えした通り、理学療法士の定期昇給は10年を目処に減額する病院・施設が多いです。
ですので定期昇給が減額する前に転職をする作戦もあります。
転職先の給与が今と同程度なら、定期昇給により今の職場で働き続けるよりも年収が上がります。
もちろん年収だけでなく人間関係や勤務体制、残業の有無、有給休暇の取りやすさなど、転職する施設には気になることが多いです。
そんなあなたには転職エージェントに登録する事をおすすめします。
日々の業務でヘトヘトのあなたの代わりに働き口を探してくれる上、さまざまな条件を聞いてくれるので、今のあなたにピッタリの職場が見つかるでしょう。
現状に少しでも不安を感じているのなら、まずは登録をして条件を検索するだけでもOKです。
別の職場がどのような環境か知るだけでも今後の人生の選択肢の幅が広がります。
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自分で実習生を受け入れバイザーをする
実習生を受け入れて教育係であるバイザーになることで臨時収入を得る可能性があります。
周知の事実ですが、理学療法士養成校は在学生に病院で実習経験を積ませます。
その際に学校から実習生を受け入れることで、病院に謝礼が支払われます。
なかには実習地が少なくて困っている学校もあります。
そこで職場と養成校のパイプ役となり、職場へのメリットを明確に示すことができると謝礼の何%か受け取れます。
知り合いに学校で働いている理学療法士がいる場合は一度それとなく話をしてみてはいかがでしょうか。
実際に友人の理学療法士は知人の教員から実習生の受け入れを依頼されてバイザーになりました。
その際、金銭の交渉は学校や勤務先を介する前に当人同士で決めることが可能だったそうです。
1日に1,000円の謝礼で、2ヶ月間の実習であったためお小遣い程度ではありますが、一時的に収入が上がったと放してくれました。
副業をして副収入を得る
リハ科の人数が多くて役職なんてもらえない
職場を変えるのはエネルギーを使うからしんどい
そんな人におすすめなのが副業で副収入を得る方法です。
【2023年】理学療法士の副業|おすすめ22選!PTで副収入を!
副業をするメリットは以下の通りです。
・収入源を増やすことができる
・社会人経験が理学療法士のみの人は他のスキルを身につけられる
・広い視野で物事を考えられるようになる
もし職場が副業禁止でもバレずに副業をする事は可能です。
あなたのやる気さえあれば「完全在宅で匿名・顔バレなし1ヶ月目で1〜2万円を稼ぐ」ことも可能です。
理学療法士の副業はバレる?バレない?【結論】バレない副業を選べばOK!
理学療法士の年収は平均以下【給料を上げるためにはアクションが必要】
理学療法士の平均年収は約437万円であり、サラリーマンやOLと比較すると約10万円少ないことが分かりました。
さらに会社員と違い理学療法士は定期昇給額が減少していくので、年収を上げるためには自ら行動を起こす必要があります。
・役職をもらえるように働く
・転職して定期昇給の減額を防ぐ
,実習生のバイザーをして謝礼をもらう
・副業で副収入を得る
理学療法士はとても素敵な職業です。
しかし年収は他の職業よりも少なく、年齢を重ねると差は開いていきます。
お金が全てではないですが不安な将来を考えるとある方がいいのは明らかです。
未来のあなたのために今できる行動を起こしてみませんか?
あなたの未来はあなたにしか変えれません。